歯科用アマルガムの基礎知識


今後の歯科の問題 -アマルガム

スウェーデンの国会でアマルガムの使用の禁止と、

これまで既に充填されたアマルガムをも

除去することが決議され、

スウェーデン歯科医師会も

これに同意したことにより、

今後アマルガムが歯科における

世界的な問題になろうとしている。

FDI(国際歯科連盟)においても理事会で

取りあげられ、議論されているところである。

そのような状況のなかで、

このたびアメリカでアマルガムに

特に大きな問題はないとの見解が

政府機関より提出された。

アメリカ公衆衛生局による調査の結果

これまでの文献的調査によれば、

アマルガムの使用を禁止したり、

あるいは他の代用品を特に

推奨しなければならない理由は

見当たらないとのことである。

アレルギーの専門家マンソン博士によれば、

アマルガム充填物から、

体内に取り込まれるほどの

水銀が放出されることはほとんどなく、

またアマルガムから出る水銀に対する

アレルギー反応や免疫システムヘの

障害などもないと言っている。

1906年以来の文献を調べたところ、

50件の水銀に対するアレルギー反応の

ケースが報告されている。

しかしアマルガムによるというのは

皆無であった。

これらの調査結果をまとめると、以下のようである。

1)歯科用アマルガムは歯科の

一般的疾患である

齲蝕の治療材として有効な修復材

である。

アマルガムは他の修復材と比較して、

優れた材質、耐久性、経済性とを有している。

2)既に充填されている材料を除去しなけれぱならない

というのであれば、論理的証拠が必要である。

3)特殊な職業を除く普通人で、

水銀が健康上の問題となることは、

文献的に確認できなかった。

4)アマルガム充填物から放出される程度の

水銀の濃度では、アマルガムによって

さまざまな非特異的な兆候があったり、

そのような兆候がアマルガムを除去することで

改善されたということを立証することはできない。

5)アマルガム充填物から極く微量の

水銀が放出されることは確かであるが、

これが一般人の健康問題になることはない

6)過去に報告された身体への中毒作用のなかで、

アマルガムの水銀が原因

となったという報告はみられない

7)アマルガムに対する局所的アレルギーは

極めてまれであるし、あったとしても

他の材料へ置き換えることで

解消させることができる。

(ADA News. 1994年9月1日号)

注)ADA: American Dental Association アメリカ歯科協会

 

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