歯医者さんに定期検診で行ったら、歯の横が削れているということでレジンをされました。
楔状欠損(くさびじょうけっそん)と呼ぶそうです。
家に帰って見ると、3本もされていたのですが、そんなに大きく削れていなかったので、本当に治療が必要であったのか疑問に思っています。
治療をする、しないの基準があったら知りたいです。
また、ラバーダムなしで、歯を削ってレジンにしたので、虫歯になる可能性が高いと思いますがどうでしょうか?
亀井裕子
結論:
楔状欠損はしみるなどのひどい場合を除き、ナイトガードで進行を防ぐことができるので削って治す治療はしない。
しかし、すでにお気楽レジンを詰められている場合は、ラバーダムをして虫歯が進行しない再治療を行う。
説明:
楔状欠損はストレスなどによる食いしばりや歯軋りにより進行します。
歯の磨き方が悪いため進行するというのはほとんどの場合、正解ではありません。
楔上欠損の修復治療をするかしないかの判断は、
(1)大きくえぐれて、しみたりして神経にダメージを及ぼす危険性があるときは行う↓
(2)見てもよく分からないし、しみることもない場合は必要ない ↓
というシンプルなものです。
現実には、この中間形態の場合が多いと思いますが、
楔状欠損の進行はNGを装着すれば、防げることが分かっている
ので、なんでもかんでも予防の意味で削って治すのは良くないという認識なのです。
しかしながら、今の日本の歯科医療の現実は、ちょっとした楔状欠損でさえも削ってレジンを詰める過剰治療が横行しており、それにより虫歯が発生して神経が死んでしまうというような自体が頻繁に見られます。
従って、明らかにいい加減な治療をされた場合には、早急にお気楽レジンを除去して、ラバーダムをしたレジン治療を行い虫歯を食い止めなければなりません。
そのような治療をパロマの例で紹介します。
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March 25, 2010
パロマ越前北ノ庄 #5 GI
パロマ越前北ノ庄は#5GIでした。
修復治療ですからラバーダムは必須になります↓。
#5はいわゆる 「楔状欠損(くさびじょうけっそん)」と 呼ばれていた状態を、日本のハイシャさんが 瞬時に削って お気楽レジンを詰めた状態になっています↓。
ところが、白い矢印で示した#4の「楔状欠損」は オリジナルの状態で保存されています↓。
この#4程度の楔状欠損であればナイトガードで進行を防げるので削って治すことはアメリカ歯科標準治療では行いません。
しかし、ここでの問題はすでに隣の#5がお気楽レジンをされていて、変色をしてる(虫歯が進行している)、ということです。
#5に注目します↓。
#5のお気楽レジンを慎重に除去します↓。
楔状欠損を削られて、お気楽レジンにされると 虫歯が大爆発した時、神経まで近い位置にあるので、 神経が死ぬことがあるので注意です。
また、パロマ越前北ノ庄のように 好い加減な治療をされると、 虫歯が歯茎の下まで広がってしまい、 電気メスで歯茎を切除しないと、 完全に虫歯を除去できないこともあるので注意です↓。
レジンのやり直しの治療は複雑な行程になることが多く最低でも1時間、かかる場合は2時間程度の治療時間になります。
今日は1時間半でした。
この後、GIを充填して、無事終了しました↓。
歯茎から血が出ていますが、これは全く問題なく、 塩水でうがいをしていると自然に治ります。
ということで、パロマ越前北ノ庄の#5の楔状欠損は虫歯フリーになりました。
3/25午後と3/26午後と3/27午前 テーマ:
「楔状欠損は歯ぎしりが原因」
#5 楔状欠損の部分のレジン→GI
#12 楔状欠損の部分のレジン→GI
#28 楔状欠損の部分のレジン→GI
〈学び〉
●歯の色はエナメル質の厚みによって色が違って見えるそうだ。
下の象牙質は透けて見えるので歯の下側は黄色っぽく見える。
歯は上中下段のおおよそ3色に分かれるので、レジンも3種類の色を使い分けるそうだ。
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このようにしてパロマの楔状欠損は完全に完治しました。
G.V.BLACK DENTAL OFFICEで治療を受ける人には無関係ですが、今の日本ではデタラメな楔状欠損の治療が横行しており、特にホケンの場合、その多くは数秒で迅速に行われるため、やられた本人が気づいていない場合が多く、歯が痛くなり気づいた時は、すでに神経が死んでいるというような最悪な状況が多くなっているので、ホケンで治療を受けているときは、今、何をされているのか常に注意していなければならないのかもしれません。
信頼関係のない歯科医療はもはや荒廃していますが、残念ながら、それが今の日本です。
04/30/10
10/10/18 updated
*** 虫歯・神経治療***
01. 究極の虫歯治療とは
02. ラバーダム・奥歯
03. ラバーダム・前歯
04. 虫歯の再治療
05. お気楽レジンの問題
06. メタルフリーの罠
07. GI・グラスアイオノマー
08. 楔(くさび)状欠損
09. ガルバニックショック
10. 保険の銀歯の問題点
11. スライスカット
12. 一生持つクラウンの治療
13. 一生持つブリッジの治療
14. 奥歯に白い歯はダメ!
15. 口臭の原因は虫歯
16. 神経の治療・RCT
17. 蓄膿症(歯原性上顎道炎)
18. 審美歯科の注意点・RCT
19. 歯周病の治療方法
20. 歯周病と痴呆症
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