歯科用アマルガムの安全性


会社近くの歯医者さんに、チェックアップに

行ったところ、奥歯に虫歯があるというので、

アマルガムでやって欲しいと言ったところ、

今はそんな古い方法をしている人はいない!

と言われました。

セラミックで白い歯にするのが今は普通ですよ、

と言うのです。

私は仕事の関係でアメリカに1年前まで

5年間住んでいましたが、アメリカでは

アマルガムの治療を何回か受けていたので

おかしい話だと思い、もうその歯医者さんは止めて、

アメリカに行った時に治して来ました。

何故日本ではアマルガムをやらないのでしょうか?

また、アマルガムの正しい治療方法は

どのようなものなのでしょうか?

ミノルタ純子

日本でアマルガムをやらなくなったのは、

水俣病が世間の注目を

浴びていた頃、

アマルガムに含まれる、

体には無害の水銀が、

東京医科歯科大学の排水溝に

流れ込んでいる事実が判明し、

水銀というだけで問題に

なることを恐れた教授たちが

アマルガムの使用を止める

決定をしたたため、

それが全国の大学に広まった

ことと、今から

30年前は歯医者の数が

極端に少なく、

沢山の患者を早く治療出来る

方法が求められたこと

だと東京医科歯科大学歯学部名誉教授の

故総山先生が言っていました。

しかし、現在の状況を見ていると、

日本でアマルガムが使われていないのは、

日本の歯医者さんたちが、患者を無視してまでも、

楽なことをして儲けたい!

という怠慢の結果ではないかと私は思っています。

その理由です:

(1)アマルガムの治療の際に、

水銀が流れ込まないような施設を

作れば環境汚染の問題は解決するのに、

費用がかかるので、しない

(G.V. BLACK DENTAL OFFICE では

そのような設備をしてAmalgamの治療をしている)

(2)アマルガムは治療に時間がかかるので、

時間もかからないし

ホケンの点数の高いレジンや銀色のインレーを

したほうが儲かる

(数をこなせればそうであったが

現在は変わってきている)

参考1:スライスカット

(3)現在は歯科医院の数が増えすぎて、

レジンやインレーをホケンで

沢山行うというのは不可能になっているため、

セラミックなどの自費に

持ち込みたいという歯科医院が多い

(4)患者の数が激減し、

患者からのリクエストがあれば

アマルガムをすれば良い環境は

整っているものの、

今までやったことがないし、

周りにできる人もいないので、できない

(5)以上の事実を患者が知ると

怒るのは間違いないので、

「古い」「体に悪い!」というウソを、

壊れたレコードのように繰り返している

という状況になっています。

つまり、日本でアマルガムをしなくなったのは、

アマルガムの材料自体に問題があるわけではなく、

歯医者さんの側に問題があるわけで、

これがアメリカの歯科医療と

日本の歯科医療の差となっています。

歯科医療が歯を守り

健康を守るために

存在するアメリカ

歯科医療が歯医者さんの

利益追求のために

存在する日本

という違いです。

それでは、典型的なアマルガムの修復治療の方法を

公開します。

Web上でアマルガム修復方法を、

アメリカの修復治療の専門教育

(Operative Dentistry)を受けた歯科医師が、

公開しているのはG.V. BLACK DENTAL OFFICE HP上

だけですので、Amalgamについて興味のある人は

参考にすると良いでしょう。

Nikkiの#30を例にします。

まず、修復治療ですからラバーダムは必須になります。

G.V. BLACK DENTAL OFFICEでは日常的に

行われているラバーダムですが、

日本の歯医者さんでは見ることすらありません。

アマルガムにはラバーダム

デンタルIQがゼロの人もこれだけは

覚えるようにしましょう。

ラバーダムの用意が出来たので#30に注目します↓。

大きなどうでもインレーです。

横から見ると中が黒くなっているのが

透けて見えています↓。

どうでもインレーの下は

厚いレジンの層がありました↓。

インレーは普通のセメントで

接着されていましたから、

これはインレーにする前に詰められた

お気楽レジンであるということがわかります。

お気楽レジンの下は当然虫歯の大爆発です↓。

凄いことになっています。

拡大してみましょう↓。

ここまで虫歯が進行していても、

 

お気楽レジンをして、

 

またその上にどうでもインレーを付けるのですから

 

日本のイケナイ歯医者さんは

 

Nikkiの歯を守ろうという意識は無かったようです。

 

虫歯を削る場合は、

 

虫歯だけが削れる専用ドリルを

 

使い、ゆっくり慎重に

 

虫歯だけを除去します。

 

そうしないと健康な部分までも削れて、

 

神経に達してしまうことがあるからです。

 

日本のイケナイ歯医者さんは、

 

経費や時間がかかる!という理由で使いません。

 

その結果、

 

日本では必要もないのに神経を

 

抜かれる人が後を絶たない!

 

という現象が起きているのは周知の事実です。

 

虫歯だけが削れるドリルで削ると、

 

虫歯の部分は白い粉になって飛び散ります↓。

 

少し削って、白い粉が飛び散り、

見えにくくなったら、綺麗ににして、

また少し削って、ということを繰り返し行い、

30分ほどかけて虫歯を除去すると

歯の中は空っぽになりました↓。

拡大して見てみましょう↓。

虫歯を取りきったNikkiの歯に黒っぽい所があるのは、

サホライド(今は使われていない虫歯予防の薬で

昔は乳歯に塗った)による着色ですから、

心配はいりません。

Amalgamの長所は、レジンにもインレーにもない

抗齲蝕作用がある!

適切な方法で詰めたら

虫歯になりにくい!

ということであり、これが理由で

アメリカでは虫歯治療に

最も多く使われている歯科材料

になっているのです。

虫歯になりにくい抗齲蝕作用は

Amalgamに含まれる

銀イオンの殺菌効果

であり、銀食器が使われるのも、物が腐りにくい、

という昔の人の知恵からです。

ここからAmalgamを充填します。

アマルガムを充填する場合は、

ラバーダムは必須になります。

Amalgamは初期の段階で

水分吸収(唾液に触れる)をすると、

遅発膨張という現象が起こり、劣化して、

本来の機能を発揮できないからです。

つまり、抗齲蝕作用のあるアマルガムでさえ、

ラバーダムをしないと虫歯になるのですから、

ラバーダムなしでは、

何を詰めようと関係なく、

歯は虫歯になる!

ということになります。

現在の日本では、イケナイ歯医者さんたちが、

アマルガムは大昔の治療

であると主張していますが、

そういうことを言う人に限って、

今はアメリカでは全く行われていない、

大昔のアマルガムの治療方法を

延々と述べる不勉強ぶりを暴露するのです。

具体的な話をしましょう。

不勉強の歯医者さんは、あまるがむをする時、

1回ごとに水銀と銀の粉の量を手で計ったあと、

電動のミキサーの時間をセットして、

混ざった後は鹿の皮でなめして使っていた、

というようなことを言いますが、

それは、私がAmalgam充填法をアメリカで習った

1990年代にはすでに行われていなかった

過去の水銀まみれになる方法です。

私が知っている方法とは、当時から現在に至るまで、

Amalgamの材料である、水銀と銀の粉は、

製造工場でカプセルに詰められた形で

販売されており、使うときは、

1回ごとにこのカプセルを、

専用の機械にセットするだけで良いのです↓。

そしてこのカプセルを混ぜる専用の機械は

コンピューター化されたミックスマシーンであり、

それを使うのです↓。

このカプセル方式であれば、

最初から最後まで水銀に触れることがないため、

水銀の汚染とは無縁になるのです。

私がアメリカから帰国し、

東京医科歯科大学歯学部でこの方法を

200人くらいの歯医者さんに教えましたが、

1回のAmalgamにかかる経費を聞くと、

皆が皆、

ホケンでやったら儲からない!

と言って、誰もやろうとはしませんでした。

ここでもAmalgamは歯医者さんの経済的な理由で、

日本では広まらなかったのです。

またAmalgamの充填というのは、

非常に高いテクニックが必要とされるので、

器用不器用がハッキリとわかる治療方法です。

私はインディアナ大学歯学部大学院で

30年に一人しか

現れないほどの器用な人!

と呼ばれていましたが、そんな私でさえ、

Amalgamは難しく、1本の歯の充填に

30分ほど費やしてこんな感じになりました↓。

拡大してみましょう↓。

この歯のスライドを、

私が教えていたインディアナ大学歯学部の授業で

見せたとしたら、会場はどよめいて、

私はその日から、Sirと学生から呼ばれるくらい、

うまく出来ているAmalgamであり、

ランド先生が書いた教科書にも載せられる

レベルの治療です。

参考2:世界の一流はメタルボンドも自分で自由自在

これでNikkiの#30は、

二度と虫歯になることはありませんが、

このくらい大きな修復になると、

Amalgamは大丈夫でも、

周りのエナメルが欠ける可能性があるので

ゴールドクラウンにする必要があります。

クラウンにしたらNikkiの#30は

永遠の命を持つことになります。

参考3:クラウンの治療

くどいようですが、

Amalgamは正式なラバーダムをして、

Amalgamを行える正しい治療環境と設備が

整っていれば、日本の多くのレジン研究者と

保険医と環境活動家の人々が主張するような

人体に害のある歯科材料ではないのです。

「口の中にあるアマルガムには50%の水銀が含まれている!」

と叫んでいる人たちがいますが、

そんな人に限って

偏差値の低い大学卒、

つまり

基礎的な勉強が好きでない人々

であることに注目しなければなりません。

「口の中にあるアマルガムには50%の水銀が含まれている!」

というのは全くのウソで、アメリカの教科書で、

歯科材料学を学んだ人であれば、

硬化したアマルガムには

水銀は3%以下しか

含まれておらず、

しかもそれらは体に無害な

無機水銀であるから

アマルガムは人体に無害である!

と習ったハズです。

この事実はアメリカでも日本でも事実として

認められているので、二度と虫歯になりたくない人

(奥歯限定)には、

アマルガムは第一に

選択すべき歯科材料

なのです。

G.V. BLACK DENTAL OFFICEのような

正しい治療環境が整っている歯科医療施設は

アメリカには多くありますが、

日本では東京医科歯科大学も含めて大学病院にはなく、

一般開業医にも、私の知る限りまだありません。

03/03/05

09/09/18 updated

Norman Yamazaki, DDS.

 

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