会員制の歯科医院


G.V.BLACK DENTAL OFFICEが会員制になっているのには2つの理由があります。

 

第1の理由はG.V. BLACK DENTAL OFFICEが開業時から必要だと感じている理由で、それは

 

「自分と同じ価値観を共有する仲間を持つこと」

 

第2の理由は、100年前からG.V. BLACK博士が必要だと思っていた理由で、それは

 

「患者の数を制限することで、治療レベルを高く維持すること」

 

第1の理由の説明は以下のようなものです。歯で悩むような人たちは、一般に言われる、まじめな性格で、Dental literacyの能力の高い人が多く、歯に関する情報を入手すればするほど、一般の人々やハイシャさんたちと歯科治療に関する情報において、齟齬や離開を生じています。

 

例を挙げると、

 

・ラバーダムをしないと必ず虫歯になるという事実を知り、虫歯の治療の時、ハイシャさんにラバーダムの装着を希望しても、笑って相手にされもしない

 

・神経の治療をした歯が痛いのは治療の仕方が悪いのだと知りやり直してもらおうとネットで検索した「歯内治療が得意なハイシャさん」に行ったが抗生物質を飲めと言うだけで何の処置もしてくれない

 

・噛み合わせの不具合を感じるので、ハイシャさんで咬合調整をしてもらったが、自分が知っている方法とは全く違っており、頻繁に通っても治らないため、治らないことを指摘すると、精神科の受診を薦められたり、精神安定剤を処方される

 

・歯列矯正を受けたいと思い診断を受けに行くのだが、山崎先生の「歯列矯正の名医」の方法でやるように頼んでも「そんな方法は聞いたことがない!」と言われるばかりで、やってくれるところがない。

 

といった状況になっているのです。このような場合、多くの人は孤立し、自分自身で解決の道を探さなければならないのですが、解決してくれるハイシャさんはなかなか見つからず、また、歯の悩みは多くの場合、個人の秘密の領域であるため、誰に相談したら良いのかわからないので、精神的に参ってしまうことになります。

 

そのような状態に長くいた人が、G.V. BLACK DENTAL OFFICEにはやってくるので、歯の問題がアメリカ歯科標準治療により治っても、精神的な分野では、すぐには回復できない人が、G.V. BLACK DENTAL OFFICEでも今から10年前くらいまでは多かったのです。

 

それが、あることがきっかけで、掲示板やオフ会という会員同士の交流の場を作ったところ、自分の持っている「歯の悩み」を、相互に交換しはじめ、「治療を受ける個々と構え」から始まり「トラブルの対処方法」や、「日々の管理のhow to」など、実際に受けた人でなければわからない情報を、すでに治療を受けた人たちが、今、受けている人たちに教えはじめ、その後は、歯の治療には留まらず、日常の生活などの問題も、解決されるようになり、顎関節症の治療などには、非常に良好な結果をもたらすようになりました。

 

このような結果になったのは、つまるところ、人生のある時期、歯の問題という同じ悩みを共有し、最終的には、それを克服したしたことを、自分の財産として生きているという同じ価値観を持つ仲間の存在であり、そのような人の言うことならば、信用できるし、また、自分でも誰かの役に立ちたいということで、お互いに助け合うことが日常的になり、信頼関係がどんどん深まって、自分はもう一人で悩む必要はないという境地に達したからだということがわかりました。

 

そもそも、イギリスが発祥のクラブは、お互いに助け合う、という精神が原点であるそうですから、G.V. BLACK DENTAL OFFICEも会員制にすることで、この分野では、多くの利点を生み出していると考えています。

 

第2の理由は以下の通りです。G.V. BLACK DENTAL OFFICEのようなEvidence Based Medicine (EBM)に基づくアメリカ歯科標準治療を行っている歯科医院には、当然、多くの治療希望が寄せられます。G.V. BLACK博士は、アメリカ歯科標準治療である、「ほんとうの治療を理解できない者には、ほんとうの治療をしてはいけない」と教えます。つまり、どのような治療を受けているか、その価値をわからない人や指示されている事柄に従えないような人にかかわって無駄な時間を過ごしてはいけないと説くのです。

 

G.V. BLACK博士によれば1人の一流の歯科医師が一生涯で治すことのできる患者数は1000人となっています。その理由は治療に必要な集中力が1000人を治すことにより限界に達し、衰退を始めるためです。日本の健康保険医であるならば、1年もあれば余裕をもって治療し尽くしてしまう、たった「1000という数の人を歯に関する問題から開放するために、あなたは私の弟子になったのである。」と、G.V. BLACK博士は説くのです。

 

本当に患者であるその人のことを考えて、精神を集中した治療をすれば、1日に診ることのできる数は限られてくるはずです。G.V. BLACK博士は2人が理想的でした。LUND先生は1人で限界を感じました。

 

今の山崎先生は3人から5人ですが、LUND先生は気に入りません。「そんなに多くの人を診たら、伝承されるべき治療技術が伝承されない。」と言うのです。しかし、現在の日本では1日1人のペースでは1000人は救えないのです。

 

それは、日本の場合歯の状態が悪い人が多いので1人にかかる治療時間、アポイントメントの数、という点においてアメリカの数倍になることから1日1人ではなく数名になってしまうのです。

 

名医の誉れが高くなり、診療を希望する人が殺到した場合、その交通整理の方法をG.V. BLACK博士 は短い言葉で残しています。

 

「患者があなたを選ぶのではなく、あなたが患者を選びなさい。あなたが自分自身で人を見極めることができないのであれば、信頼できる人に頼みなさい。それはこの治療の尊さを身を持って体験した人で、なおかつ自分の受けた治療を正しく説明できる人。そういう人だけを会員にし、そこからスタートしなさい。」

 

以上、2つの残された言葉をルールとしてG.V. BLACK DENTAL OFFICEは患者数をコントロールすることで、治療のレベルの維持を図っているのです。

 

最後に、診療を希望するのだが、会員に知り合いがいない、という人の場合はどうなのでしょうか?

 

G.V. BLACK博士 はこの点について答えを残しています。「この治療を受けることを希望する人で、その思いが本当に強く誠実であるならば、会員は必ずその人の近くに現れるはずであるから心配するにはおよばない。」というものです。

 

つまり、あなたが本当に望むのであれば希望は必ずかなえられます。祈りは強いものであるとキリストは説き、「求めよ、さらば与えられん。」と教えています。

 

1998年07月15日

2014年05月12日 updated

Norman Yamazaki, DDS.