Dentistが歯科技工をする理由


卒後4年目の勤務医です。

自分では器用な方だと思うのですが、

歯科技工になるとなかなかたいへんです。

アメリカの有名な歯科医師は自分で技工まで

するという話をききました。

日本では考えられないことですが、

ほんとうなのでしょうか?

また一流と言われる人たちの技工レベルは

どの程度なのでしょうか?

片岡温子

 

Dental Diaryの中で技工については述べたことが

ありますので、ここに再掲載し、答えとします。

*****

December 6, 1997.

技工レベル

今日の午前の一番はあやちゃんでした。

ゆかちゃんが悩んで、おとうさんのカキ鍋を

食べている間に、あやちゃんの治療は

終わりが近くなっています。

その後、何人か来て、午後の一番は口臭が

主訴だったルージュでしたが、

ルージュはRCTを1本の歯にしただけで、

ずいぶん回復したと、喜んでいました。

今日は残りの1本のRCTでしたが、

こちらも全くの手抜き治療をされており、

瘻孔 ができていて、

歯ぐきを押すと膿がドバーッとでてきました。

これでなんで「口臭は気のせい」という

結論になるのか、日本の医療を疑うばかりです。

12月は毎年、技工物がすごくなる月ですが、

今年も例外ではありません。

G.V. BLACK DENTAL OFFICEの技工物は

すべて私が作るという前提なので、

もう寝るひまもないというのはこのことです。

6月から専属の技工士をフルタイムで

やとっていますが、最終の仕上げや重要なポイントは

は私が自分で行うので、院内技工士がいれば、

家で寝ていられるという

日本の歯医者さんとは違うのです。

日本の大学でホテツというと、

自分で技工ができない連中がやたらと

威張っていますが、

アメリカの補綴専門医は、

技工は治療の一部

と思っていますから、

世界の名医と呼ばれるDENTISTは

みんな自分で作っています。

アメリカには 技工をしない

PROSTHODONTISTなんていなかったけれど、

日本は大学の教授をはじめ、

数え切れないほどいます。

数少ない技工をする人でもセラミックは

難しいとかいって、

これまた威張っている技工士に頼みますが、

自分でできなければ、

その治療はやめることをお薦めします。

その方が患者さんのためになることが

多いと思うからです。

技工士は患者さんの機能ということを

間接的に知ることはできても、

直接チェックはできません。

治療においては、この

直接チェックする

ということが何よりも重要

なわけです。

私は、今はもう臼歯のセラミックは

しなくなっていますが、

インディアナ大学院時代にやった症例の

下顎のフルセラミックのケースを

親友であるひこべえ(現北海道大学教授)

が見たいというので公開します。

あえて PROSTHODONTISTと名乗らない私が

これくらいできるのなら、

日本のホテツ科に関係している人は

最低でもこのくらい出来なければ、

もう自分の名刺にPROSTHODONTISTという

肩書きを付けるのはやめたほうが、

アメリカに留学して恥をかかなくていい

と思うわけです。

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そして最近感じているのはこんなことです↓。

インディアナ歯学部創立以来初となった在学中に

飛び級して大学院に入ることを認められた私は

迷うことなくLund先生に習うことを選びましたが、

一応大学院ですから試験と面接があり、

面接でLund先生は、

「ノーマン、技工が好きか?」

と聞くので、私は

「はい」

と答えると、

「一生やっていても、楽しいと思うか?」

と聞くので、私は

「はい」

と答えました。

後になって、Lund先生は技工に関するこの質問を

自分の弟子になりたいと願ってやってくる人には

必ずするということを知りました。

つまり、

アメリカで一流と認められている

Dentistになるためには、

手先が器用で、

かつ技工が好きで、

技工を一生やっていても

楽しいと思うセンスがないと

なれない!

ということになるのです。

私は、 G.V. BLACK DENTAL OFFICEを開いてから

10年以上の間に、徹夜などで体調が悪くなったり、

自分の時間がなくなって約束を果たせなかったり、

など色々なネガティブなことがありましたが、

そんな時でさえも技工は楽しい、

と思って過ごしてきました。

今でも、

なんで日本の歯医者さんたちは

こんな楽しいことを

しないのだろう?

とふと思ったりします。

04/04/02

04/04/18 updated

Norman Yamazaki, DDS.