32才のOLです。
G.V. BLACK DENTAL OFFICEでは、前歯の修復治療に、レジンではなくGIを使うとのことだったので、前歯のレジンの再治療が必要な私は、近医で尋ねたところ、
「GI?なに、それ?」といわれてしまいました。
GIというのは何なのでしょうか?
土御門ひかる
結論:
前歯の虫歯治療で再発防止をしたければフッ素の出るGIを使うのがベスト。
説明:
GIというのはGlass Ionomer Cementの略で、レジンのように白い歯科材料です。
長所は、レジンと違いフッ素が出るので、虫歯を防ぐ効果が期待できることです。
短所は、レジンよりも加重に対して弱いということ、
操作性が複雑で、ラバーダムをして、1本の治療に最低でも40分くらい費やして慎重にやらないと、すぐに取れたり変色してしまうということ
でしたが、最近はレジンとGIをミックスした歯科材料が開発され、問題点が改善されたため、G.V.BLACK DENTAL OFFICEでも、このハイブリッドのGIを使うようになっています。
具体的な治療方法としてTacの#8を参考にします↓。
#8には日本で良く見ることの出来る レベルの低い大きくて醜いレジンが付いています↓。
レジンを除去すると、レジンの下には 虫歯の大爆発がありました↓。
さすがにこれだけ虫歯が大きいと、 完全除去は、神経の関係からできないので、 出来る限り除去し、虫歯を抑制する薬を塗って対処します↓。
虫歯を除去するまでに1時間かかりました。
その後、また1時間をかけて Resin Bondingを行いました↓。
この時、茶色の部分の虫歯の進行を抑制するためにさらにGIを詰めるのです。
ここでは強度も必要だということでレジンとのハイブリッドを使いました。
これで完璧に治ったTac天神西早稲田の#8ですが、 たった1本のResin Bondingを行うのに アメリカ歯科標準治療では2時間かかります。
そのくらいの時間とステップをかけないと アメリカ人が見ても美しくて 2度と虫歯にならない レジン治療はできない! ということです。
日本の歯医者さんのように数分間でレジンを行っていると、必ず問題は起きます。
お気楽レジンの問題は審美性もさることながら、神経が死んでしまう、ということで、それは抜歯に到るまでの過程がスタートした、ということですから深刻なのです。
ハイブリッドとはいえ操作性ではまだレジンに比べ問題があり、一瞬で完成するお気楽レジンが好きなハカイシャハイシャがやろうとしても絶対にうまくできない歯科材料なので、日本ではあまり使われてはいません。
アメリカ歯科標準治療でも、前歯の大きな虫歯治療などでは、強度の関係からレジンを使うことがありますが、それ以外の場合は、虫歯を予防できる効果は絶対的!ということでGIを、Evidence Based Medicine(EBM)の見地からも推奨しています。
尚、アメリカ歯科標準治療では、レジンもGIも奥歯の治療に関しては、強度的に問題があり、虫歯の再発に直結しているので、単独では一切使用していません。
白い歯が好きだということで、レジンを奥歯に詰めている人は、 予防的見地からアメリカでは2年に一度くらいの頻度でやり直す人が多い ということを覚えておきましょう。
06/12/02
04/13/18 updated
*** 虫歯・神経治療***
01. 究極の虫歯治療とは
02. ラバーダム・奥歯
03. ラバーダム・前歯
04. 虫歯の再治療
05. お気楽レジンの問題
06. メタルフリーの罠
07. GI・グラスアイオノマー
08. 楔(くさび)状欠損
09. ガルバニックショック
10. 保険の銀歯の問題点
11. スライスカット
12. 一生持つクラウンの治療
13. 一生持つブリッジの治療
14. 奥歯に白い歯はダメ!
15. 口臭の原因は虫歯
16. 神経の治療・RCT
17. 蓄膿症(歯原性上顎道炎)
18. 審美歯科の注意点・RCT
19. 歯周病の治療方法
20. 歯周病と痴呆症
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